研究について
研究紹介 3
当教室では、難治性固形癌である肺癌や膵癌、胃癌などをとりあげ、難治化の要因である転移の分子機構解明とその分子標的治療開発や早期診断法開発に向けたトランスレーショナルリサーチを展開している。
当教室では、難治性固形癌である肺癌や膵癌、胃癌などをとりあげ、難治化の要因である転移の分子機構解明とその分子標的治療開発や早期診断法開発に向けたトランスレーショナルリサーチを展開している。
胸膜中皮腫の病態解明と新規制御法開発
胸膜中皮腫はその発症にアスベスト吸入が深く関与しており、今後増加することが予想されている。また、早期診断が困難な上に放射線治療や化学療法の感受性が低いため予後不良であり、有効な治療法の開発が急務とされている。我々は、胸膜中皮腫の分子病態を明らかにするためにSCIDマウスを用いた同所移植モデルを確立した(図5)。さらに、胸膜中皮腫細胞が血管内皮成長因子(VEGF)を過剰発現し、血性胸水および胸腔内腫瘍形成を促進しており、VEGFが治療の分子標的となることを明らかにしている。さらに、胸膜中皮腫細胞の増殖やアポトーシスに関連した分子を複数個同定しており、それらを標的とした選択的で副作用の少ない分子標的治療薬開発に発展させる予定である。
(Li Q et al, Am J Pathol. 2011)
(Yamada T et al, Cancer Sci. 2008)
(Li Q et al, Clin Cancer Res. 2007)