わが国においてがん医療水準の地域(施設)格差は、今や社会問題化している重要な課題です。それを解消するための一翼を担うことができるのが腫瘍内科医です。腫瘍内科医(臨床腫瘍医)は、臓器横断的な視点で患者を診て、複数臓器のがん種をマネージできる内科医です。近年急速に進歩してきている分子標的治療薬も臓器別というよりは標的別(臓器横断的)に有効性を発揮する薬剤であり、副作用も全身どの臓器にも発生する可能性があり、熟練した腫瘍内科医による使用が世界的に望まれています。
しっかりと自立した人間(医師)となるためには、教育はとても重要です。
われわれの教室では、すでに4名が腫瘍内科専門医(日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医:2011年4月586名/全国)を取得しており、おもに難治性固形がんの典型である肺がん,膵がん,原発不明がんを中心に診療を行っています。皆さんには、専門医の指導のもとに腫瘍内科に必要な基本的な診断手技やオンコロジーエマージェンシーへの対応方法を学んで頂くことともに,急速な進歩を遂げている分子標的薬や抗がん剤の使用の基本理念,有害事象およびその対応方法を習得して頂くことを目標として、腫瘍を臓器横断的な視点で診ることのできることはもちろんのこと、患者さんとコミュニケーションを上手にとることができる人間味あふれる全人的医療を基本とする腫瘍内科医を目指し、教室をあげて積極的に支援します。
一方では、腫瘍内科医といえども誰にも負けないと自負できる専門領域を持つ必要性があります。そのために臨床に直結したトランスレーショナルリサーチを行うことを推奨しています。外国人研究者を積極的に受け入れており、多国語が飛び交うインターナショナルな活気に満ちた環境で、とくに肺がんや悪性中皮腫の研究においては、世界の最先端を走り続けることができるよう教室員が総力を上げて日夜研究に取り組んでいます。
みなさんも、がん高度先進治療センター/腫瘍内科で臨床に研究に全力投球してみませんか?