診療について

検査・治療について

検査

 

当科では、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、超音波内視鏡(EUS)を多数施行しており、管腔内超音波検査(IDUS)、経口胆道鏡(POPS)などの特殊検査にも携わっています。また、治療前にERCP下の擦過細胞診や超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA) にて組織診断を行い、治療方針を決める際の参考にしています。

 
 
 
 
 
 
 

治療

 

組織型、臨床病期、全身状態を総合的に評価し、標準的な化学療法、放射線療法、放射線化学療法、および分子標的治療を行っています。分子標的治療に関しては、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬であるイレッサやタルセバの感受性を予測するため、腫瘍の上皮成長因子受容体遺伝子変異やMET遺伝子増幅、さらに新たな治療標的として注目されているEML4-ALK融合遺伝子も積極的に測定し、治療方針決定の参考にしています。また、世界に先駆けた試みとして分子標的治療の耐性因子の測定や、抗がん剤の耐性因子の測定も行い、治療方針決定に役立てる予定です。肺がんにおける臨床試験としては、西日本がん研究機構(WJOG)の多施設共同研究実施病院となり、既治療非小細胞肺がんに対する2次治療におけるアバスチンの上乗せ効果の検討(切除不能進行非小細胞肺がんに対する多施設共同第U相無作為化比較試験:WJOG5910L試験)などにも積極的に参画し、難治性腫瘍のひとつである肺がんに対する新たな標準治療の確立を目指しています。

 

化学療法に関しては、組織型、臨床病期、全身状態を総合的に評価し、標準的な治療を行っています。また、放射線を併用した放射線化学療法や、臨床試験としてゲムシタビンとティーエスワンを併用する治療(切除不能進行膵癌に対する多施設共同第V相無作為化比較試験:GEST試験、切除不能膵癌患者に対する多施設共同無作為化比較第U相臨床試験:JACCRO試験)にも積極的に参画し、難治性腫瘍のひとつである膵がんに対する新たな標準治療の確立を目指し、より良い治療が行えるように取り組んでいます。また、膵がんでは胆管閉塞による閉塞性黄疸や消化管閉塞をしばしば来しますが、内視鏡的に胆管ステントや消化管ステントの留置も数多く行っています。

 

転移や腫瘍マーカーのパターンなどから原発巣を推定し、カルボプラチンとドセタキセルの併用化学療法や必要に応じ放射線治療を併用した集学的治療を行っています。