金沢大学附属病院がん高度先進治療センターでは,膵癌の診断目的に超音波内視鏡下穿刺吸引生検法 (EUS-FNA) により採取した膵組織について,再度利用させていただき,上皮間葉転換 (EMT) マーカーについて研究させていただきたいと考えております。
手術を施行された膵癌症例において、膵癌組織のEMTマーカーを解析したところ、間葉系優位型は上皮系優位型に比べて予後が不良であり、脈管浸潤や転移を来しやすいとの結果が出ています。
しかし,EUS-FNAにて採取された膵癌組織を用いてEMTマーカーに関する検討を行った報告は現在までなく,不明確でした。こうした疑問を解決するべく,2015年2月までに,当院で得られた検査結果を解析することを予定しております。
この研究は,以前膵癌の診断目的に患者様からEUS-FNAにて採取させていただいた膵組織を再度解析させていただく研究であり,新たに患者様への負担は生じませんし,今後の治療方針にも影響しません。また費用の負担もありません。
なお,この研究は,金沢大学医学倫理審査委員会の審査を受け,金沢大学附属病院長の承認を得て行っているものです。
膵癌に対してEUS-FNAを受けられた方で,今回の研究に同意をいただけない方がおられましたら,そのことを申し出ることができます。その場合, EMTマーカーの解析は行いませんし,これからの治療に差し支えることは全くありません。また,EUS-FNAを受けられたかどうかをお知りになりたい方についても,もちろんお調べしお答えいたします。
1.今回の研究について研究課題名:超音波内視鏡下穿刺吸引生検法 (EUS-FNA) 検体を用いた膵癌における上皮間葉転換 (EMT) マーカーに関する検討
この研究では膵癌の患者様の膵癌組織におけるEMTの状態を解析することで,膵癌における転移能を評価し,治療方針を判断する材料になる可能性を明確とすることを目的としています。
2.研究の方法についてこの研究では,2009年1月から2015年2月までに膵癌患者様を対象として診断目的に施行したEUS-FNAにより採取した膵癌組織検体のうち余ったものを利用させていただきます。膵癌組織検体には既に患者様に番号を付け,名前などの個人が識別できる情報を削除し,番号と個人を識別できる対応表が作成されています。これを連結可能匿名化といいます。この匿名化された膵癌組織検体からEMTマーカーについて解析を行います。集計されたデータは学会発表や学術雑誌及びデータベース等で公に公表される事がありますが,個人情報などが公表されることはありません。
この研究の期間は,金沢大学医学倫理審査委員会の承認日から2016年3月31日までです。
3.予想される利益(効果)と不利益(副作用)についてこの研究は余った膵癌組織検体においてEMTマーカーの解析だけを行う研究であり,この研究に伴う直接の利益はありません。予測される不利益として個人情報の流出があげられますが,データを取り扱う際にはすべて匿名化されたものだけを使います。データの登録や保存については,これまでと同様,外部に漏れることが無いよう細心の注意を払います。
4.プライバシーの保護についてこの研究では,具体的には患者様に番号を付け,名前などの個人が識別できる情報を削除し,番号と個人を識別できる対応表を作成する,連結可能匿名化がおこなわれています。対応表は,データとは別に管理するとともに,解析対象とするデータと個人情報が直接結びつかないようにして解析を行うことで,個人情報の流失を防ぎます。
また,この研究で得られた結果は学会や医学雑誌等に発表されることがあります。このような場合あなたの個人情報などが公表されることは一切ありません。
5.研究参加に伴う費用の負担や通院についてこの研究に参加することによる費用の負担や研究のためだけの新たな通院はありません。
6.研究への不参加の自由についてもし,この研究への参加をお断りになっても,あなたの今後の治療に差し支えることは一切ありません。不参加を希望される場合には,お手数ですが下記の研究責任者,研究分担者,もしくは担当医にお知らせいただくこととで不参加の意思の表明とさせていただきます。もし,お断りになっても,あなたのこれからの治療に差し支えることは一切ありません。解析の都合上,研究への不参加を希望される場合は2015年12月28日までに研究の窓口までお知らせください。
7.個人情報の開示について金沢大学における個人情報の開示の手続については,次のホームページを参照してください。
http://www.adm.kanazawa-u.ac.jp/ad_syomu/kojin-jyouho/8.研究計画書など資料の入手についてこの研究の研究計画書などの資料が欲しい,または見たい場合は,研究に関する窓口に問い合わせてくだされば,対応いたします。
9.研究に関する窓口この研究の内容について,わからない言葉や,疑問,質問,自分がこの対象の対象になるかなど,更に詳細な情報を知りたいなどがありましたら,遠慮せずにいつでもお尋ねください。
研究機関の名称:金沢大学附属病院がん高度先進治療センター
研究責任者:大坪公士郎(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター講師)
問合せ窓口:大坪公士郎(金沢大学附属病院がん高度先進治療センター講師)
電話:076-265-2794